お疲れ様です。
今日はM:tGの好きなカードについてお話していきたいと思います。
言っちゃえば、自分にとって、ホラーの根本的なところを作っていると思うので、ちょっと長くなったらすみません。
私が初めてギャザに触れたのは……多分オデッセイ・ブロックの時だったと思う。(2001~2002年)
その当時やってた友人から要らないカードをもらって、それでデッキ組んでやってたのが始まり。
そのころ、我々の世界で一番強かったのは睡魔/Somnophoreだった。
当時の知能だと、ボードコントロールという観点はなかった。
故に、彼を倒す手段は
・飛行持ちクリーチャーでブロックする
ぐらいしかなかった。
そして悲しいかな。私が使っていたのは緑白ビートダウン。飛行生物に触る手段はなかった。(いやあったんだろうけど気付いてなかった)
ならば、睡魔よりも強い飛行クリーチャーを出すしかない。当時緑白を使っていた自分にとって、それはなかなかに難しい問題だった。
故に僕は、緑白ビートダウンから、赤白ビートダウン(※ウィニーですらない)にすることになった。
豊富な火力で睡魔を焼き払い、白のクリーチャーでビートダウンする。
実に単純なデッキだったが、どうしても勝てなかった。
理由は単純。普通に打ち消されていたのだ。
当たり前だが青はパーミッションの色。
対抗呪文/Counterspell、マナ漏出/Mana Leak、ブーメラン/Boomerangなど、それはもう気持ちいいほどキーカードが捌かれていた。
結果、至る思考。
そうして生まれたのが、赤白壁バーンだ。
白の壁クリーチャーを展開する。壁は攻撃できないので、相手はここで打ち消しを使ってこない。
(一番好きな壁クリーチャー達)
地上を壁で守り、空中を火力で焼き払いつつ、猛火/Blazeで本体を直接焼きにかかる。もちろん火力は囮だ。
そこで切り札を定着させる。
それが、それこそが私の魂のカード、ローリング・ストーンズ/Rolling Stonesだ。
定着してくれれば、空中は飛行5/6の太陽の網が、地上は4/5の天然の城塞が、壁という役割を放棄してそれぞれ殴り始める。
ロマンしかない、最高のデッキだった。
勿論、勝率は最悪だった。
何しろ一度ネタが割れてしまえば、ローリング・ストーンズ/Rolling Stonesさえ打ち消せれば、場には何もしない壁クリーチャーしか残らない、クソザコバーンデッキでしかないのだ。
だが、何が気に入ったのか、ぼくはこのデッキを使い続けた。
マイナーチェンジを繰り返し続けながら、赤白壁デッキを10年近く使い続けたのだ。
それはまぁ、壁という種族が弱すぎて単価が安かったってのもあるが、それ以上に、「壁が襲い掛かってくる」ということにホラー的な面白さを感じたのだ。
普段我々は、壁に囲まれて暮らしている。部屋の中央に棒立ちで暮らしている人間はいない。
疲れたとき、壁に背を預けて休むこともあるだろう。
その壁が、敵意をもっていたら?急に泥のように沈み、壁の中に飲み込まれていったら?
ぼくの想像力は、そのイメージに夢中になった。
床だって、言ってしまえば地面と平行の壁だ。
考えれば考えるほど、そのアイデアに夢中になった。
そういう、当たり前のように身近にあるものが、突然恐怖の象徴となる。
自分にとってのホラーの転換期はここだった。
普通だった日常が、ただそれだけで一変する。
普通が普通でなくなる世界、考えるだけで楽しかった。
そしてその考えは、20年経った今でも変わっていない。
それを教えてくれたのは、間違いなく、あの時1枚20円で買ったローリング・ストーンズ/Rolling Stonesだったのだ。
人生、何が起こるか分からない。
例え20円のクソカードだとしても、人生を変えることだってあるのだ。